一風変わったお祓いを紹介したいと思います。
その名も【鳴弦の儀】(めいげんのぎ)というものです。
これは弓に矢をつがえず弦を引っ張り、手を放します。
この時、弓の弦の音がしますよね。
この音でお祓いをするのです。
主に邪気や魔気を祓う《退魔儀礼》として古くから伝わります。
源氏物語にもこの《退魔儀礼》が出てくるそうですので、すでに平安時代には【鳴弦の儀】があったようです。
弓に矢もつがえず音を鳴らすだけっていうのが何とも肩透かし的な感じがしますが、この儀礼の意味はなんとなく分かるような気がします。
それに昔は天皇陛下の入浴時にもおこなわれていたという由緒正しい(?)お祓いなんですよ。
勝手な想像で申し訳ありませんが…(以下、想像)
誰でも弓の弦の鳴る音を聞くと、弓矢が飛んで来ると思いますよね。
そこで邪気なども怖くなって寄り付かなくなり、その場所を祓う事が出来るという事なのでしょうか。
ハイ、想像でした。
私個人の勝手な解釈はこの辺にしておいて、他にはどんな時に弓の弦を鳴らしてお祓いをしてきたのでしょうか?
主に不吉な出来事が起きた時や病気祓いにも使われたような記録も残っているようです。
なかなか強い祓いの力があるように思います。
鈴の音や拍手にもお祓いや魔除けの効果がありました。
音に祓いの力がある事がよく解りますね。
ある方からお話を聞いたのですが、音の響きには神様と深い関わりがあるらしのです。
鈴の音、拍手、弓の弦などの響き(振動)も同じとの事。
まぁ、この話はすごく難しいので、また機会があれば紹介したいと思います。
話が少しズレますが、破魔弓や流鏑馬ってご存知ですか?
破魔弓は神社などで授与されますし、流鏑馬は神事としておこなわれます。
あくまでも推測ですが、弓から放たれた矢は目標に向かって一直線に飛んで行きます。
ここから邪気などを打ち破る神具として扱われるようになったのではないでしょうか。
弓矢は神様と切っても切れない縁があるようです。
ちなみに【破魔矢】という名称は登録商標されていたらしいのですが、商標を持つ会社が善意からか登録の更新をしなかった為に誰でも使えるようになったとか・・・
う~ん、イイ話だなぁ。本当にありがとうございました。
弓が家に置いてあるところは少ないかも知れませんが、もし弓を触る機会があれば【鳴弦の儀】を是非やってみましょう。
大変興味深いと思いますよ。
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