神道では、お葬式を「神葬祭」(しんそうさい)といいます。
一般的に「お葬式」とは仏教でおこなわれる儀式で、日本の約8割は仏式の葬儀になるようです。
ですが神葬祭の方が歴史は古く、天皇陛下がお亡くなりになると神葬祭で葬儀がおこなわれるほどの由緒ある儀式なのです。
葬儀が由緒ある儀式っていうのも何か変ですが…
では何故、神葬祭があまり知られていないのか?
あくまで個人的な推測です。
それは死を穢れとして扱う神道の考え方にあるようです。
神道では穢れをことごとく嫌います。
神道にとって【死】は最上の穢れを意味します。
ですから穢れとなる葬儀を徐々にやらなくなっていった。
その代わりとして仏教が葬儀を引き受けていく…という感じなのでしょうか?
話しは少し変わりますが、昔は葬儀のあとに塩を撒いていたのを覚えていますか?
でも最近は葬儀の後に塩を撒くのを見なくなったはずです。
諸説ありますが、塩を撒くのは神道だけで仏式の葬儀では塩を撒かないというのもあります。
※塩を撒く行為は、お祓いを意味しています。
実は親族などから「身内が死んだからといって穢れているとは何事か!」という声があります。
つい最近まで一緒に暮らしていたのに、死んだからといって手の平を返すように《穢れ》だと言われたら誰でもムカっとしますよね。
でもこれには少し誤解が含まれています。
死んだ人が穢れてしまったのではなく、『死』というもの自体が穢れているから『死』そのものを祓うといった意味なのです。
決して死んだ人が穢れている訳じゃありませんよ。
ここまで言われると理解できますが、初めて聞くと腹が立つと思います。
さて神道では、祖先が氏神様となって私たちを守ってくれます。
氏神様は守り神として御霊(みたま)となり、家族や親族を見守ってくれるのです。
人間は死ぬと神様の一員となって、家族を守ってくれるという事です。
この辺りは、仏教とは全然違いますね。
ですから先祖を大切にしてください。
これは神道でも仏教でも変わりありません。
どんな宗教でも同じです。先祖を大切にしましょう。
たまにはお墓にお参りにも行ってくださいね。
最後になりましたが、お葬式と神葬祭に優劣や上下はありません。
神道にも葬儀の儀式がある事を知ってもらえればと思いました。
最近は少しずつですが神葬祭も増えてきています。
下世話な話ですが…、仏式よりも神葬祭の方が安く葬儀ができるといった理由も多少あるようです。
実際に計算したことが無いので真意のほどは定かではありませんが…
もし神葬祭に行かれる場合、神葬祭は仏式のお葬式とはマナーが全然違うので恥をかかないように、最低限の神葬祭マナーぐらいは調べておきましょう。
その内、神葬祭のマナーについても紹介したいと思います。
コメント