8月に入ると暑さも更に強くなるように感じます。
8月の1週目には地域のお祭や花火大会などイベントが目白押し。
そしてお盆休みを迎えると田舎に帰ったり、海や山へと出掛ける事でしょう。
いや~、夏休みってホントに楽しいですよね。
でも、ちょっと待って!
折角のお休みですが、せめてお盆休みの1日くらいは「お盆らしい事」をしませんか?
特にマンションに住まわれている方や田舎の無い方、若い世代の方、核家族、家に仏壇や神棚が無い方などは、お盆の事をあまり知らないという事もあります。
それでは、ザックリとお盆とお盆にやる事をご紹介しましょう。
お盆ってなに?
お盆とは、ご先祖様が家に帰ってくる日の事です。
自分たちとご先祖様だけが再会する訳ではありません。
ご先祖様同士もまた、再会する日なのです。
地獄の釜の蓋が…って事は置いといて、ご先祖様の1年に1度の帰郷(?)という事ですね。
実家から離れて暮らしている人であれば、「あぁ、田舎に帰りたいなぁ」と思う事もあるはずです。
ご先祖様もそう思っているのかも知れません。
そして実際に帰ってる日が『お盆』なのです。
お盆っていつ?
お盆は、8月13日~8月16日まで。
これは地域によって若干違う事もあり、15日の前後という曖昧なところや12日からお盆というところもあるようです。
お盆の最後が15日というところもあります。
会社に勤めていれば13日~15日くらいが夏休みでしょうか?
丁度その辺りがお盆になりますね。
お盆はなにをするの?
それでは実際に、お盆でやる事をご紹介します。
お盆でやる事は仏事や神事となりますので、正式には細かな作法などがたくさんあります。
ですが、ルールに囚われて面倒臭くなってやらないよりは、ご先祖様を供養するという気持ちさえあればだいたいで良いと個人的には思っています。
あまりルールに縛られずに、出来る範囲の事で始めてみてもらえればと思います。
お供え物の用意
お盆の最大の目的は先祖供養です。
1年に1度、家に帰ってきた先祖を丁寧にもてなしてください。
「お・も・て・な・し」は、日本人の得意とするところです。
ではどんなおもてなしをすれば良いのか?
それは、お供え物です。
夏の果物やお菓子などが良いですね。
もちろん、私たちが食べる食事と同じものでも構いません。
ただ、夏場ですから傷みやすいものはご注意ください。
他には、お花などもあると良いですね。
お線香やローソクなども合わせてどうぞ。
お供えを置く精霊棚
本来は、仏壇や神棚の前などに精霊棚を置いて、そこにお供え物を置きます。
ですが最近では仏壇や神棚の無い家もあります。
そんな時は気にせず、テーブルの上にお供え物を置いて良いと思います。
要は気持ちです!気持ち!
精霊棚が無くてもご先祖様は分かってくれると思います。
ちなみに精霊棚とは、特別に設けられた祭壇のようなものでそこにお供えを置くのが一般的です。
精霊馬に精霊牛
きゅうりやなすびに割りばしや爪楊枝を指して、馬や牛のような恰好にした物を見た事がありませんか?
あれが精霊馬、精霊牛です。
になみにこれは、精霊馬(しょうりょうま・しょうりょううま)と読みます。
「せいれいま・せいれいうま」ではありませんのでご参考まで。
これはご先祖様が家に帰ってくる時に乗る乗り物なのです。
野菜の馬や牛に乗って帰ってくるなんて何だかメルヘンって感じですね。
しかし、最近の精霊馬はアートというか悪ふざけ過ぎるというか…、車やバイク、飛行機、モビルスーツまであります。
興味のある方は「精霊馬」で画像検索してみてください。
盆提灯
百貨店やショッピングモールで何やら涼しげな提灯を見た事がありませんか?
水色の光が淡く灯っていて、クルクルと回転しているやつです。回転してない物もありますね。
あれが盆提灯で、あの提灯の明かりを頼りにしてご先祖様が帰ってきます。
お盆の時期に灯してあげてください。
この盆提灯にもちょっとしたルールがあるのですが、先ほども言ったように、やらないよりやる方が数兆倍良いという事であまり盆提灯のルールにこだわる必要も無いかと思います。
始めてのお盆、またはしっかりとご先祖様を迎えたいという方はお寺や神社、または仏具販売店の方に相談される事をお勧めします。
迎え火
お盆がいよいよお盆らしくなるのは、この迎え火ではないでしょうか。
13日の夕方くらいから家の前で火を焚いてご先祖様をお迎えします。
迎え火には「おがら」というのを使います。
麻の皮を剥いだ茎で、ホームセンターなどで販売しています。
このおがらを焙烙(ほうろく)という素焼きの平皿に乗せて燃やします。
おがらが用意できなければ、ローソクやキャンドルでも結構です。
無理に大きな炎を上げる必要はありません。
目印にしてもらうだけですから。
外側から家側に向かって火を跨ぐと先祖の霊を招き入れたという事になります。
また迎え火を跨ぐことで無病息災を祈願する事になります。
ちなみに迎え火を跨がなかったり、三回跨ぐ、迎え火だけするなど地域によって様々です。
分からない事があれば、家族や地域の人に尋ねてみてください。
送り火
16日の夜、家に迎えたご先祖様をお送りします。
もう一度、おがらを焚いて帰る道を照らしてあげてください。
迎え火とは逆に、送り火を家側から外側に向けて跨ぎます。
ご先祖様を送り出してあげてください。
この火を川や海に流すのが「精霊流し」と呼ばれる行事です。
長崎県で盛んに行われています。
精霊船の火が川に映って幻想的な光景が素晴らしいのですが、個人的にやるのは危険です。
勝手に精霊流しをするのは止めておきましょう。
余談ですが「怪談 牡丹灯篭」で新三郎さんとお露さんとが出会うのは、精霊流しで引っ掛かっている精霊船を流してあげたからでした。
お盆 まとめ
本当に出来ることだけで結構です。
簡単な事だけでも良いので、やれる事だけやってみてください。
お供えするだけでも結構です。
送り火、迎え火の代わりに子供たちと花火するだけでも良いと思います。
この時期、少しで良いのでご先祖様の事を思い出してもらえればと思います。
お盆といえば仏教色が強いように感じるかも知れませんが、お盆は仏教だけの行事ではなく神道も同様に行事を行います。
内容はほとんど同じなのでお盆に関しては、仏教と神道の違いという事はあまり気にする必要は無いと思います。
ここで紹介したお盆の知識は、一般的なものです。
地域や風習、宗派などによってお盆の仕来りは様々なので、詳しく知りたくなった方はお年寄りに聞いてみたりお寺の方などに尋ねてみると良いでしょう。
今年のお盆は、少しご先祖様の事を考えてみませんか?
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